カテゴリ
以前の記事
2010年 04月 2010年 02月 2010年 01月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2006年 10月 2006年 09月 関連サイト
CALTA Project のサイトCALTA Project
バスでお出かけMAP みんなの水遊びマップ Streamer's Map @iota_ よかったらフォローしてください。 最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 09月 13日
走行速度が上がると、交通容量が増えるのですが、ではどのくらい増えるのでしょうか。
速度が2倍になれば容量も2倍になると思っていませんか? 実は、速度が2倍になっても、数パーセントしか増えないのです。 ちょっと計算してみましょう。ここでは計算を簡単にするために、信号のない自動車専用道路で、1車線あたりの交通容量を考えてみましょう。なお交通容量とは、一定時間に道路を通過できる車の台数のことです。(交通工学では交通容量にもいくつかの定義があるようですが、それらについては専門の文献をあたってみてください。) まず、計測開始から1台目の車の先頭が通過して、2台目の先頭が通過するまでに何秒かかるかを考えます。すべての車が同じ間隔で走っていれば、この時間が通過間隔になります。通過間隔を求めるには、1台目の先頭から2台目の先頭の距離と、走行速度が必要です。 1台目の先頭と2台目の先頭の距離は、下図のように、車体長と車間距離の合計です。
車体長と車間距離をそれぞれ次のようにします。 - 車体長 車体長は、いろいろな車の平均を考えますので、5mとします。 - 車間距離 車が安全に走行するためには、時速40kmで走行する場合は40m、時速100kmで走行する場合は100mという具合に、走行速度メートルの車間距離が必要です。なので、車間距離は走行速度メートルとします。 また、通過間隔を秒単位で考えたいので、走行速度の秒速を求めます。 40km/h = 40 * 1000 / 3600 = 11.1… 100km/h = 100 * 1000 / 3600 = 27.7… では計算します。物理の公式から、(時間=距離/速さ)なので、 時速40kmの場合 通過間隔 = (車体長 + 車間距離) / 速さ = ( 5 + 40 ) / 11.11… = 4.05 時速100kmの場合 通過間隔 = (車体長 + 車間距離) / 速さ = ( 5 + 100 ) / 27.7… = 3.78 以上の計算結果から、1分間あたりの車の通過台数、すなわち交通容量を求めると、 時速40kmの場合 交通容量(40km/h) = 60 / 4.05 = 14.8 時速100kmの場合 交通容量(100km/h) = 60 / 3.78 = 15.9 ということになります。 時速40kmから時速100kmになると、速度は2.5倍になるのですが、交通容量は 15.9 / 14.8 = 107.4% で、わずか7.4%しか増えません。 ちなみに、実際にはもっと車間距離を詰めて走ることもあり、そうすれば交通容量は上がると思われるかもしれませんが、車間距離が詰まると人間は少し速度を下げます。結果として、車間距離に応じた速度に低下することになり、交通容量はあまり変わりません。 渋滞が起きないために交通容量を増やそうと思った場合、道路の幅やカーブや起伏、信号、歩行者など、さまざまな条件で変化するものではありますが、速度を上げても効果はほとんどなく、別のすいている道に迂回させるか、車線を増やすか、道路を作るかを考える、ということになります。
by bybus
| 2006-09-13 13:09
| 交通問題・交通対策
|
ファン申請 |
||